炭素繊維で強化された高分子複合材料の研究は盛んに行われているが、高価なため普及が進んでいない。本研究では、被改質樹脂としてポリプロピレン(PP)を選び、これとポリビニルアルコール(PVA)繊維を複合化する。PVA繊維をPPと共に単純混合するという手法は過去に報告されているものの、親水性高分子であるPVA繊維はPP中に分散せず好ましい物性値を示さない。 そこで本研究では、溶融状態となっているPPにPVAの水溶液を直接添加し、押出機内で混練と脱気を実施することで、PVAの繊維化とその微細分散を実現した。得られた複合材料は高強度、高弾性率の熱可塑性樹脂となる。
|