低分子化合物は安価で大量に合成できるという大きな利点があり、新たなdruggableな標的とその標的を阻害する低分子化合物を同定することは挑戦的であるものの、人類の健康にとって大事な研究である。増殖の盛んながん細胞ではリボソームの合成が亢進しているため、リボソーム生合成を標的とした低分子阻害剤は抗がん剤の候補として注目されている。本研究では、ATPase活性のあるヒトミダシン全長組換えタンパク質の発現精製法を確立したことにより、ヒトミダシンに対する新規阻害剤の探索が可能となった。さらに、分裂酵母ミダシンの活性制御機構について新たな知見を得たことによりミダシンの構造生物学的知見が深まった。
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