本研究では、独自の合成化学・生命化学を有機的に結びつけ新規生物活性分子シードを創出することを目指した。具体的には、触媒反応を駆使して高い酸化段階、連続不斉点、四級炭素等のsp3炭素に富んだ複雑分子を簡便に合成する手法を開発した。生成物に加え、原料、中間体、配位子等を含め約700の独自化合物について、ランダムスクリーニングで生物活性分子としての潜在性を検証した。また一部の化合物については独自のタンパク質メチル化評価系を用いてメチル化阻害も検討した。見出したシードについてはIC50値の算出、毒性試験、構造活性相関研究を行なった。一連の研究を通じて、数種の新規生物活性シードを創出することに成功した。
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