グルタチオンS-転移酵素Noppera-bo (Nobo) は、昆虫ステロイドホルモンの生合成に特化した役割を持つ。本研究では、構造生物学的な解析手法を導入することで、Noboのリガンド結合部位に挿入される化合物の同定を進め、未同定のNobo内在性基質の解明を目指した。本研究期間中に真の内在性基質を確定するには至らなかったが、Nobo阻害剤化合物の探索と合わせた成果から、哺乳類ステロイドホルモンである17beta-エストラジオールがNoboのリガンド結合部位と強い相互作用を示すことを明らかにした。その他のデータも併せて考察すると、Noboの内在性基質はステロイドである可能性が強く示唆された。
|