ABCタンパク質はATP依存的な能動輸送体で、様々な脂溶性化合物を輸送するトランスポーター群である。ABCタンパク質にはよく似た構造を持ちながら、脂質輸送体と多剤輸送体に機能分化している近縁の輸送体が存在する。本研究ではこれらの輸送体の機能分化機構を明らかにすることを目的とし、輸送基質の取り込み経路と予想された領域に着目し解析を行った。この結果、脂質輸送体と多剤輸送体は基質の取り込み経路が異なり、この部分が機能分化に重要であることが示唆された。また、コレステロールが多剤輸送体の活性を調節する機構についても解析を行った。
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