研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、生殖腺刺激ホルモン受容体に特異的に結合する特異抗体を応用し、生殖腺の発達を抑制する手法の開発を試みた。ウサギを免疫しニジマス生殖腺刺激ホルモン受容体に対する抗血清を調製し、ここからIgGを精製したものを特異抗体として実験に用いた。本抗体を魚に投与し約6ヶ月飼育したところ、抗体を投与した個体において成長の亢進がみられたものの当初の仮説とは逆に生殖腺の発達は促進された。
魚介類免疫学
魚類養殖では生殖腺の発達が生産物の価値および品質に影響を及ぼすことがある。養殖魚において生殖腺の発達を制御することができれば効率的な生産が可能となることが期待される。本研究では、生殖腺刺激ホルモンに対する抗体を用いた生殖腺の発達制御を試みたが、残念ながら本抗体では魚類生殖腺の発達を阻害することができなかった。生殖腺の発達は生殖細胞の分化に伴い起こるため、今後、生殖細胞そのものを標的とした生殖線発達の阻害手法の開発を検討している。