研究課題/領域番号 |
18K19267
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
束村 博子 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00212051)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | キスペプチン / 性腺刺激ホルモン / 性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH) / 黄体形成ホルモン(LH) / エストロゲン / 視床下部 / 環境ホルモン / 生殖中枢 |
研究成果の概要 |
本研究は、哺乳類において発達期の脳へのエストロゲンの感作が、生涯にわたり生殖機能を抑制する脳内プログラミング機構の解明を目的とした。出生直後(脳の発達期)の雄ラットに、エストロゲンを慢性的に感作させることにより、成長後も性成熟せず不可逆に生殖機能が抑制されること、さらにこの生涯にわたる生殖機能停止が、生殖中枢である弓状核キスペプチンニューロン(KNDyニューロン)におけるキスペプチン遺伝子(Kiss1)ニューロキニンB遺伝子(Tac3)、ダイノルフィン遺伝子(Pdyn)の特異的かつ不可逆な消失に起因することを明らかにした。
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自由記述の分野 |
家畜繁殖、生殖科学,神経内分泌
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
哺乳類において、発達期の脳へのエストロゲン様化学物質の感作が生涯にわたり生殖機能を抑制することが知られる。本研究では、新生児期のラットにエストロゲンを投与すると脳内弓状核のキスペプチンニューロン(哺乳類の生殖中枢)におけるキスペプチン遺伝子(Kiss1)発現を不可逆かつ特異的に抑制し性腺刺激ホルモンが著しく抑制されることを明らかとし、生涯に渡る生殖機能抑制がこのKiss1発現抑制に起因することを明らかにした。本成果は、ヒトや家畜に見られる視床下部性の生殖障害の原因のひとつを解明した点で、社会的・学術的に大きな意義がある。
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