細胞内に分子モーターを導入する方法として、エンドサイトーシスに依らず、膜融合の方法を用いて直接導入することに成功し、細胞内で分子モーターの運動を観察することに成功した。また、顕微鏡の焦点深度が薄いことを考え、細胞を高さ2-3μm程度まで潰すことに成功したが、さらに薄くすると細胞の挙動がおかしくなるなどの問題が生じた。このように分子モーターを導入することに成功したものの、これらの運動を細胞内で精密に定量することが困難であった。そのため、細胞内抽出液と粘性の高い人工的な溶液を用いた実験を試した結果、キネシンの運動速度に関して、従来のバッファー中での運動に比べて速くなるという興味深い結果が得られた。
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