脳小血管病は脳梗塞の再発、認知機能、歩行障害などと関連することが知られており、臨床の現場では病態の解明および予防策の検討が急務とされている。しかしながら、毛細血管を構成する細胞種の同定や周囲のグリア細胞との関係性、並びに血液脳関門の機能的破綻などを立体的かつ高解像度に可視化する研究手法が確立されていなかったため、治療戦略に繋がる病理所見を得ることが難しかった。本研究により、ヒト脳病理標本の高度な透明化技術と共に血管やその他の関連因子を立体的に可視化する汎用性の高い免疫染色プロトコールが得られた。従って、脳小血管病の3D病態解析を推進する上で必要なシーズとなる萌芽的技術が得られた。
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