炎症性疾患、外傷、虚血や梗塞など多くの疾患において、その重症度を評価する最も端的かつ合理的な指標は“どれだけの細胞が死んでいるのか”である。治療の観点からは、例えば脳梗塞時にどれだけの神経細胞を死から救えたか、あるいは逆に抗癌治療によりどれだけ多くの癌細胞を殺せたのか、が治療効率の判断基準となる。本研究では、パラ水素誘起偏極法により13C標識細胞死プローブの核磁気共鳴画像(MRI)信号強度を10万倍以上励起することに成功した。この励起した13C標識プローブのMRI撮像により、細胞死に特定的に見られる代謝変化を標的に、体内で起こる細胞死を非侵襲的にイメージングする技術を開発した。
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