研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、ゲノム動態を可視化する4Dヌクレオーム解析の基盤ツールを開発することを目的として、標的DNA配列を蛍光検出する技術を開発した。そのために、独自のタンパク質ラベル化技術を用い、ゲノム編集に用いられるDNA結合タンパク質と合成核酸結合色素からなるハイブリッドプローブを構築した。このハイブリッドプローブは、標的とするテロメアDNA配列に結合し、蛍光強度を上昇させる機能を持つことが示された。
ケミカルバイオロジー、蛍光イメージング
蛍光タンパク質を用いたDNA配列の検出技術は、バックグラウンドシグナルの大きなものであるが、本研究のハイブリッドプローブは、DNAへの結合に伴い蛍光強度が増大するため、より高精度に検出できる。DNAの高精度な検出をもとにした4Dヌクレオソーム解析は、ゲノム動態を精密に明らかにすることでき、遺伝子発現制御や疾病発症のメカニズムの解明に繋がる。この観点から、本研究では、ゲノム動態解明のための基盤ツールの開発に成功しており、生命科学や医学の発展に貢献するといえる。