我々の高精度の視覚が成立するためには、網膜の黄斑の中心に形成される窪み構造である中心窩が重要な役割を果たしている。中心窩の異常は、加齢黄斑変性やスターガルト病といった網膜変性疾患による重篤な視覚障害や失明につながることが知られている。しかしながら、中心窩の発生や形成の分子メカニズムはほとんど分かっていない。キンカチョウは今まで謎であった中心窩形成の研究に優れたモデルとなることが示された。さらに、中心窩形成に関わる遺伝子の一つとして、中心窩周辺領域のグリア細胞に発現する細胞形態の制御因子を同定することができた。
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