患者自身の免疫システムを活性化することにより腫瘍を攻撃する「免疫療法」は、近年目覚ましい開発が進められており、今後、さらに大きな発展が期待される。しかしその一方で、現行の免疫チェックポイント阻害剤の適応にならないがん腫や、副作用の問題、禁忌症などがあることから、新たな免疫療法の開発が常に求められている。 本研究は「CD69」というT細胞の動態システムに重要な働きをする分子に着目し、新しいがん免疫療法の確立を目指したものである。従来の免疫チェックポイント阻害薬とは、一線を画した斬新なアイディアを基にしたものであり、学術的意義、社会的意義の高い研究である。
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