ヒトの脳にはおよそ1000億個の神経細胞があると言われているが、ある任意の刺激に応答して活動するのは一部のごく僅かの細胞集団である。したがって、動物の高次脳機能の仕組みを理解するには、それを司る領域やそこに入出力する全ての神経回路の解析のみならず、その中で実際に働いた一部の神経細胞集団・神経回路に焦点を当てた解析を行うことが不可欠である。本研究では、それらの回路を網羅的に同定する手法の開発を行った。この手法を利用することによって、これまでは見逃されてきた新たな神経回路や、解剖学的な接続は知られていても新たな機能的価値が付加される神経回路が見出される可能性が期待できる。
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