がんの画像診断において、核医学診断は術前の全身スクリーニングを可能とする一方で、蛍光イメージングは術中のリアルタイム診断を可能とする。核医学診断と蛍光イメージングを同時に達成しうる薬剤骨格を開発できれば、がんの術前診断と術中診断をシームレスに行うことが出来るため、高精度の外科的治療へと繋ぐことが可能となる。本研究では、放射性ガリウム-67/68と配位子であるDOTAの錯体が6座配位であることに着目し、DOTAの一つのカルボキシ基に蛍光色素を導入し、さらに、DOTA骨格の向かい合うもう一つのカルボキシ基に葉酸を導入した薬剤を合成し、葉酸受容体を高発現する卵巣がんの検出に有効であることを示した。
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