高齢者の手術の後におこるせん妄は発症メカニズムが明らかなっていないため対処方法が確立していない。今回、老化促進モデルであるSAMP1マウスと正常マウス(SAMR1)に対して疑似的手術を施した後認知機能テストを行った結果、SAMR1マウスと比較しSAMP1マウスの方が優位に低下を確認した。更にSAMR1マウスとSAMP1マウスの血液成分を比較した結果、総コレステロール、HDLコレステロール、総ビリルビンの有意な低下が明らかになった。抗酸化物質であるビリルビンが老化促進マウスにおいて低下していることから、酸化ストレスもまた高齢者に見られる術後せん妄のメカニズム解明に重要な因子であると予想される。
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