研究課題/領域番号 |
18K19695
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
神原 咲子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (90438268)
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研究分担者 |
宮川 祥子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 准教授 (00338203)
宮崎 浩之 東京大学, 空間情報科学研究センター, 特任助教 (80764414)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 生活環境 / 災害 / 減災 / モニタリング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、地域に存在するケアについて生活環境要因(水、空気、感染症、衛生施設等)を住民参加型調査方法によって時空間情報と収集し、データ別に情報通信技術を効果的に活用することで客観的で信頼性の高い指標をリアルタイムに近い段階で取得し、それらを画面上で時空間情報として、一つに可視化し、その中でコミュニティに必要なケアを、災害多発地域をフィールドとし、減災のためのプライマリヘルスケアケアニーズを地理情報システム(GIS)上で、インターネットを通じた地域の情報共有の補強ツールとしてモニタリング結果を利用し検討することである。 初年度である2018年度は、ツール開発を主な目標とした。7月に西日本豪雨の被災地域において、地図の利活用のベースを検討するため、生活環境(水、空気、感染症、衛生施設等)に関わる施設を住民参加型調査によってスマートフォン・タブレットからのメッセージデータ及び写真として収集した。実際得られた内容は、避難所に貼ってあるポスターや役立つ口コミ情報、現場を訪問して位置情報を得た。わかりやすいアイコンとともにOpenStreetMap の上に可視化し、住民側にフィードバックした。位置情報についてはGoogleMap を用いて緯度経度の整合性を確認した。また、ネパールカトマンズでも利用可能なように、項目を点検した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では当初、災害が多発するフィリピンセブ州、インドネシアスレマン県、ネパール、日本高知県を対象地としていたが、Health Emergency時に実用可能であることを目的としているため、実際に水災害が起きた岡山県倉敷市を対象にリアルタイムにデータを取得し分析対象とした。 実際の時間の流れの中での社会実装実験として、登録公開作業の負荷、急な情報変更の反映、手入力した名称のゆらぎなどの現実的なボトルネックが明らかとなり当初の予定を大幅に上回る知見が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
一方、研究計画に挙げている簡易環境測定キットについては、まだ進んでいない状態である。災害時に必要な簡易迅定性キットやスマホ顕微鏡を用いて被検者の傍らで既存の検査を駆使し低価格で適時調達出来るよう既製品で開発し、公衆衛生の観点からモニタリングの信頼性を上げる予定であるが、感染症予防のために水質や環境汚染に関する課題が多発しやすい夏の水災害を想定し、よりニーズの高いコンパクトなモデルを目指す。
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