研究課題/領域番号 |
18K19705
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30165162)
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研究分担者 |
金涌 佳雅 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (80465343)
小池 薫 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (10267164)
足立 好司 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00231928)
山崎 峰雄 日本医科大学, 医学部, 教授 (10277577)
早川 秀幸 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (10373052)
柚木 知之 京都大学, 医学研究科, 准教授 (50639094)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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キーワード | 死体 / 髄液 / NMR / モード解析 |
研究成果の概要 |
死体検案で採取できる死後髄液は、血性か透明か否かでクモ膜下出血の有無を判定する法医診断に有用な試料である。法医実務では、死後髄液をルーチンに採取することが多いため、診断のため発展的な活用が期待される。本研究では、死体検案や法医解剖事例から採取した、死因が判明している死後髄液を用いて、NMR(核磁気共鳴)モード解析を実施し、死因との関連について検証した。本研究では取得された死後髄液の持つNMRモード解析の結果のみからでは、各事例の死因の詳細な関連付けは困難ではあった。しかし、死後髄液をNMRモード解析し、死因すなわち死亡前の病態として内因死、炎症疾患および外因死を識別できる可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
法医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
異状死の死因究明は、法医学における重要な使命であるが、法医解剖や死後画像診断は必ずしも十分に普及しているとは言い難いのが現状である。死後髄液の採取自体は容易で特別な装置を要するものではないので、死後髄液のNMRモード特性から、頭蓋内病変の有無、死因との関連性の情報を抽出できれば、法医実務への貢献は大きいと考える。解剖検査による死因究明を凌駕する精度は困難ではあろうが、死体検案での信頼度の高い死因究明の方法として、社会的意義は高いだろう。また本研究を通じた、死後髄液の死因の病態生理学的分析は、法医病理学の基礎研究の新たな対象試料として髄液が期待できる可能性を示唆させる学術的意義を有すると認める。
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