鉄鉱石の加熱時におけるHgの脱離挙動を主に調べる一方、Hg除去剤の開発に取り組んだ。空気中の加熱では、Hgの放出は主に100~400℃で起こり、250~700℃には幾つかの脱離ピークが現れ、その温度域や強度は鉄鉱石の種類に依存した。また、金属水銀の放出量は、多くの場合、全Hg放出量に比べ小さく、脱離挙動も大きく異なった。この結果は、鉄鉱石中のHgの存在形態は少なくとも2種類以上あることを指摘する。次に、もみ殻由来の塩素ドープ炭素質物質のHg吸着能を調べたところ、140℃で40 ppb 金属水銀/Heを流通させると、塩素なしでは初期に性能が劣化したが、塩素ありでは40 h後も性能が維持された。
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