研究課題/領域番号 |
18KK0029
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山崎 孝史 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (10230400)
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研究分担者 |
花松 泰倫 九州国際大学, 法学部, 教授 (50533197)
八尾 祥平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 研究員 (90630731)
福本 拓 南山大学, 人文学部, 准教授 (50456810)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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キーワード | 東シナ海 / 島嶼 / トランスボーダー / 地政学 / 政治地理学 |
研究実績の概要 |
本年度の研究は、新型コロナ感染の状況を勘案しつつ、研究代表者ならびに研究分担者の個別研究を鋭意進めた。加えて、年度初めに掲げた全体的な計画に沿って、次の4項目の実績を達成した。 ①国際シンポジウムの開催は新型コロナ感染拡大の影響で、実施形態含めて再検討した結果、国際地理学連合テーマ会議「関係性の中の島嶼」として2023年4月開催の方向で、国際地理学連合ならびに同日本委員会の承認のもと研究分担者および国際共同研究者と共に実施準備態勢に入った。 ②2019年度に実施した国際シンポジウムの成果を2020年度よりTaylor & Francis社の国際学術誌Geopoliticsにおける特集号として刊行する準備を進めてきたが、これまで3本がオンライン掲載され、現在最後の論文が二度目の査読中である。年度内刊行はかなわなかったが2022年度内の特集号刊行を目指している。既刊行論文の一つは国際共同研究者によるものである。 ③海外調査出張と国際シンポジウム開催が困難となった状況から、本科研の中心的テーマである領域化に関わる理論書(Robert Sack著Human Territoriality)の完訳(全6章のうち既刊行の3章を改訳し、残り3章を訳出する)を進めた結果、明石書店より2022年2月に刊行された。翻訳権の取得や編集費に本補助金を用いた。 ④③と同様の理由から、研究代表者および研究分担者のこれまでの調査研究成果を中間報告する意味で、研究代表者と研究分担者による5章を含む政治地理学方法論書が、日本地理学会の出版助成を受けて(2021年9月採択)、ナカニシヤ出版より2022年3月31日付で刊行された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染拡大の影響を受け、2年近く研究が停滞したものの、研究活動を出版物刊行にシフトさせ、かつ締めくくりの国際会議を2023年4月に開催できる準備を整えたことについてはほぼ予定通りの進展と評価できる。ただし、国際会議の開催が2023年度にずれ込んだように、2022年度内で研究活動のすべてを完了させることは困難と判断されるので、その遅れを補うために研究期間を2023年度まで延長することを予定している。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要でも述べたように、今年度は2023年4月に予定されている国際会議の開催に向けて、研究分担者と共に準備を進める。あわせて、国際学術誌Geopoliticsの特集号の刊行を実現するともに研究分担者との共同研究会(2022年7月予定)をとおして各自の研究の深化を図り、引き続き活発な研究交流と研究成果の公開を目指していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では2021年度に国際会議の開催を予定していたが、新型コロナ感染拡大により、次年度に順延する方向で調整していた。しかし、会議開催の時期と場所を検討する過程で、2023年4月の開催にずれ込んでしまった。とはいえ、準備は2022年度内で行う必要があり、準備に必要な予算を次年度に繰り越すことにし、かつ研究期間を2023年度まで延長する予定であるから。
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