本研究の目的は、超短パルスレーザーを用いたスピンダイナミクスの研究手法を取り入れることにより、全く新しい物理概念に基づいたスピンカロリトロニクス現象を創出することである。FePt薄膜にパルスレーザーを照射し、異常ネルンスト効果の時間分解測定を行った結果、高速な異常ネルンスト効果を観測することに成功した。また、Pt / FePt 二層薄膜にパルスレーザーを照射することにより、テラヘルツ波の放射を観測し、複数の物理メカニズムがテラヘルツ波の放射に寄与していることを明らかにした。これらの成果により、スピンカロリトロニクスを基軸とした高効率なテラヘルツ発振現象の実現の可能性が示唆された。
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