流体の非線形挙動を深く洞察出来得る数学解析を提示できた、という意味合いにおいて、本研究の学術的意義は大きい。特に、2021年にJFMに出版されたMatsumoto-Otsuki-Ooshida-Gotoの論文で「Euler座標とLagrange座標の違いで乱流の或る重要な統計量が本質的に変わってしまう」ことが物理的に示されており、それは「流体の非線形挙動に対する数学的洞察を飛躍させるためには、Lagrange座標に密接に関係するリー代数構造を深くみていく必要がある」と翻訳出来得る。その問いへの答えを目指す形で「微分同相写像群によるオイラー流の研究」を推し進めることが出来た。
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