研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
環境センサーとして知られるTransient receptor potential (TRP)タンパクは全身の臓器や組織に広く発現し、様々な炎症性疾患に関連することが知られる。本課題ではToll-like receptor(TLR)を介した自然免疫応答に対するTRPタンパクの影響を検討した。その結果、ヒト歯周組織にTRPV1が発現し、歯周炎患者は歯肉炎患者に比較してTRPV1発現が低いことが確認された。またLPSによるTLR4刺激によってTRPV1の発現が制御されることが観察された。
歯周病学
TLR4活性化がTRPV1発現を制御する知見から、TLR-TRP相互作用の可能性が示唆された。自然免疫応答がトリガーとなる様々な炎症性疾患における新たな病因メカニズムの提案につながるという学術的意義を有する。またTLRおよびTRPをターゲットとして、歯周炎をはじめとする様々な炎症性疾患の予防法や治療法の開発につながる点において、社会的意義を有する。