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2018 年度 実施状況報告書

子どもの逆境と支援をめぐる多様な語りと子ども支援から見た社会の構想の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18KT0032
研究機関大阪大学

研究代表者

村上 靖彦  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (30328679)

研究分担者 渋谷 亮  龍谷大学, 文学部, 准教授 (10736127)
永野 咲  昭和女子大学, 人間社会学部, 助教 (10788326)
佐藤 桃子  島根大学, 学術研究院人間科学系, 講師 (10792971)
久保 樹里  大阪歯科大学, 医療保健学部, 講師 (10803679)
遠藤 野ゆり  法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (20550932)
大塚 類  青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (20635867)
研究期間 (年度) 2018-07-18 – 2021-03-31
キーワード社会的養護 / 質的研究 / 子育て支援 / ナラティブ / 現象学
研究実績の概要

30年度は7月後半の交付金受給後実質半年間の活動期間だった。8月24日にキックオフの会議を行って今後の方針を決めるとともに、各自の研究内容を共有した。その結果、(1)公開の研究会の開催によるオラリティを軸とした子ども支援・子どもの逆境についての研究推進、(2)研究成果の発表、(3)現場の視察及び研修会の開催を決定した。
(1)については30年度の研究成果をもとに5月25日に初回を法政大学にて開催し、順次開催していく。(2)については2月24日に大阪市東成区民センターにおいてこどもの里の荘保共子さんをお招きし、科研メンバーの村上・久保・永野が登壇する形でキックオフの公開シンポジウムを開き、約80名の来場を得た。また、メンバーそれぞれが複数の論文及び学会発表を行っている。(3)については11月25日に神戸市塩屋地区の神戸少年の家、ワンズハウスといった複数の児童養護施設・乳児院を訪問し、地域における社会的養護の実践について学んだ。また12月3日に大阪市西成区のこどもの里とにしなり☆こども食堂を訪問し、やはり地域における社会的養護の取り組みについて支援者からレクチャーを受けた。
また研究協力者の野坂と酒井とともに、村上は大阪市内の養護施設の研修プログラムの運営に参加するとともに、高知市児童相談所の研修運営およびケース会議に参加している。
さらに科研メンバーのうち村上・久保・永野・佐藤は、子ども虐待防止学会においてそれぞれシンポジウムの組織、研究発表を行い、研究成果の公表を行ってきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付金受領後半年間の活動期間内の間に、大規模なシンポジウムを開催するほか、日本の社会的養護において先進的な取り組みをしている地域の調査を行うとともに、論文発表および学会発表に多数取り組むことができた。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、31年度は複数回の研究会によってオラリティを通した逆境および子育て支援研究を推進する。研究会は研究代表者と分担者を中心とするが、オープンな会にすることで研究者の交流を図る。
また2年目にあたる今年度は海外視察を申請時の計画に組み込んでおりイギリスなどの社会的養護と学校での子ども支援の現状について学ぶ予定である。そして国内についても引き続き複数の地域の取り組みについて学ぶ機会を持つ。
これらの研究会および調査は、子ども虐待防止学会やトラウマストレス学会などでの発表を行うとともに、学術雑誌等で原稿化していく。さらに全体の業績をまとめて書籍化する計画を進める予定である。研究代表者の村上は本研究の成果を単著として出版する計画を出版社と進めており、31年度中に原稿を出版社に送る予定である。
30年度と同じように、大きな規模の公開シンポジウムを年度末に開催する予定である。研究成果を市民と共有する。

次年度使用額が生じた理由

海外調査の準備および先方との調整に時間がかかり、2020年度に実際の調査を行うことになったため。アメリカ、ワシントン州における調査、およびイギリスにおける児童福祉現場および学校教育現場の調査を準備している。

  • 研究成果

    (22件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (10件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 教育サバイバーの語りに関する現象学的分析2019

    • 著者名/発表者名
      大塚類・杉本卓
    • 雑誌名

      青山学院大学 教育人間科学部紀要

      巻: 10 ページ: 125-135

  • [雑誌論文] 在宅医療患者の語りから探る希望2019

    • 著者名/発表者名
      大塚類・栗田宜明他2名
    • 雑誌名

      教育研究

      巻: 63 ページ: 73-84

  • [雑誌論文] 保育所における虐待がうたがわれる子ども・保護者への対応2019

    • 著者名/発表者名
      久保樹里
    • 雑誌名

      発達

      巻: 157 ページ: 23-28

  • [雑誌論文] ワシントン州のおける社会的養護を出た若者への自立支援2019

    • 著者名/発表者名
      久保樹里
    • 雑誌名

      子ども虐待の予防とケアのすべて

      巻: 31 ページ: 5823-5834

  • [雑誌論文] 場と変化を支える にしなり☆こども食堂における母親支援を例にして2018

    • 著者名/発表者名
      村上靖彦
    • 雑誌名

      精神療法

      巻: 44(3) ページ: 329-334

  • [雑誌論文] 児童虐待を再生産する組織について 『スポットライト』(2015年アメリカ、監督トム・マッカーシー)をめぐって2018

    • 著者名/発表者名
      村上靖彦
    • 雑誌名

      子どもの虐待とネグレクト

      巻: 20(3) ページ: 334-338

  • [雑誌論文] 小学校における自尊感情の基盤の育成に関する現象学的事例研究:学習支援ボランティアの経験に基づいて2018

    • 著者名/発表者名
      大塚類
    • 雑誌名

      人間性心理学研究

      巻: 35(2) ページ: 131-142

  • [雑誌論文] 「動く世界を生きる――多動と注意についての考察」2018

    • 著者名/発表者名
      渋谷亮
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 46(17) ページ: 85-94

  • [雑誌論文] 米国オレンジ郡に学ぶ家族再統合ーラップアラウンド導入の効果2018

    • 著者名/発表者名
      久保樹里
    • 雑誌名

      世界の児童と母性

      巻: 83 ページ: 61-66

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 社会的養護の子どもの参加・参画をめぐって──当事者の声とそれを支える大人たちの役割2018

    • 著者名/発表者名
      永野咲、谷口由希子、長瀬正子、川瀬信一、アーウィン・エルマン、ジニー・キー、武田信子
    • 雑誌名

      子どもの虐待とネグレクト

      巻: 20(2) ページ: 180-188

  • [学会発表] 大阪市西成区を中心としてみた地域の子育て支援とTIC2018

    • 著者名/発表者名
      村上靖彦
    • 学会等名
      子ども虐待防止学会
  • [学会発表] 大阪市西成区を中心としてみた地域の子育て支援の「図」2018

    • 著者名/発表者名
      村上靖彦
    • 学会等名
      第4回地域で支える子どもの回復ネットワーク
    • 招待講演
  • [学会発表] 西成における虐待へのとりくみ2018

    • 著者名/発表者名
      村上靖彦
    • 学会等名
      第4回臨床実践の現象学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 「学びに向かう力・人間性」を育む小学校国語の授業研究:教師と児童が共に創り出す「共同の世界」という観点から2018

    • 著者名/発表者名
      大塚類・遠藤野ゆり
    • 学会等名
      日本人間性心理学会
  • [学会発表] 児童養護施設における支援力向上の試みー入舟寮のアタッチメントを重視したケアの実践を通して2018

    • 著者名/発表者名
      久保樹里
    • 学会等名
      第6回大阪社会福祉士学会
  • [学会発表] 児童相談所を内と外から支えるしくみを考えるー児童相談所スーパーバイザーとは何なのか?2018

    • 著者名/発表者名
      久保樹里
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会 第24回 おかやま大会
  • [学会発表] 家族再統合支援は本当に必要か ふたたびー米国ラップアラウンド方式から家族支援を考える2018

    • 著者名/発表者名
      久保樹里
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会 第24回 おかやま大会
  • [学会発表] 里親支援におけるライフストーリーワーク -子どもの情報の引継ぎとセッション実施のためのアセスメント2018

    • 著者名/発表者名
      久保樹里
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会 第24回 おかやま大会
  • [学会発表] アフターケアに向けた若者と大人の合意形成「パーマネンシー・パクト」の取り組み 当事者ユースを主体とした日本版開発にむけて2018

    • 著者名/発表者名
      永野 咲、坂本 歩、日本当事者ユース、米国当事者ユース
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会 第24回 おかやま大会
  • [学会発表] 社会的養護領域における制度策定過程への当事者参画ー北米におけるヒアリング調査から2018

    • 著者名/発表者名
      永野 咲
    • 学会等名
      日本社会福祉学会 第66回秋季大会
  • [図書] .生きづらさへの処方箋2019

    • 著者名/発表者名
      小山真紀他8名(大塚類)
    • 総ページ数
      154
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      978-4-7795-1341-1
  • [備考]

    • URL

      https://yasuhikomurakami.wixsite.com/kodomo-kaken

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公開日: 2019-12-27  

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