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2022 年度 実績報告書

世界の「見え」の共有技法の研究:視覚障害者と晴眼者の相互行為分析

研究課題

研究課題/領域番号 18KT0080
研究機関山口大学

研究代表者

秋谷 直矩  山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (10589998)

研究分担者 南 保輔  成城大学, 文芸学部, 教授 (10266207)
西澤 弘行  常磐大学, 人間科学部, 教授 (50296068)
佐藤 貴宣  京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD) (50737070)
坂井田 瑠衣  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (90815763)
研究期間 (年度) 2018-07-18 – 2023-03-31
キーワードエスノメソドロジー / 会話分析 / 視覚障害 / 歩行訓練
研究実績の概要

本プロジェクトの目的は、視覚障害者と晴眼者間での「共在空間に対する間主観的同一性の成立の技法」を明らかにすることであった。
最終年度は以上の目的のもと、これまでの取り組みの総決算として成果報告を中心に進めた。まず、間主観的同一性の成立の技法として、エスノメソドロジー・会話分析と認知科学を融合したアプローチにより、晴眼者による環境についての記述のなかに示される環境情報と、視覚障害者は聴覚・触覚・嗅覚を通じて知覚した対象についての記述とを、共有していると期待される事物についての概念的理解を媒介に確認し合うことで、双方の認識世界のすり合わせが可能になっていることを明らかにした。
障害学の視座からの社会的・制度的観点からは、本プロジェクトのフィールドを拡張し、学校をフィールドにした研究を進めた。そこでは、全盲の障害児に対する合理的配慮のもとで用意されたオブジェクトが健常児に対しても、別の仕方で利用されることで異なる文脈へと開かれたり、児童間の間主観的同一性の成立のもとで共同性を高める媒体として機能することを明らかにした。
以上の取り組みは、認知科学のトピックをフィールドリサーチを題材に、エスノメソドロジー・会話分析のアプローチにより探求する研究手法の洗練という副次的な産物もあった。エスノメソドロジーの創始者であるハロルド・ガーフィンケルにおける、認知科学にも大きな影響を与えた現象学者のアーロン・グールヴィッチからの影響を整理することで、相互行為分析の理論的基盤を整備した。また、認知科学のトピックをエスノメソドロジー・会話分析のアプローチから分析する際に、「活動」概念に注目した分析を試行することの有用性についてもまとめた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] “Does it feel spacious?”: Negotiations between the visual and non-visual world2022

    • 著者名/発表者名
      Yasusuke Minami, Hiroyuki Nisisawa, Mitsuhiro Okada, Rui Sakaida
    • 学会等名
      7th Copenhagen Multimodality Day
    • 国際学会
  • [学会発表] ガーフィンケルによるグールヴィッチの「意図的な誤読」とはいかなる実践か2022

    • 著者名/発表者名
      秋谷直矩
    • 学会等名
      第95回日本社会学会大会
  • [図書] 障害理解のリフレクション2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤 貴宣、栗田 季佳
    • 総ページ数
      384
    • 出版者
      ちとせプレス
    • ISBN
      4908736308
  • [図書] 認知科学講座3 心と社会2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木 宏昭
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      4130152033

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公開日: 2023-12-25  

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