研究課題/領域番号 |
19200039
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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研究分担者 |
根尾 昌志 京都大学, 医学研究科, 講師 (80311736)
中川 泰彰 京都大学, 医学研究科, 講師 (90293860)
藤林 俊介 京都大学, 医学研究科, 助教 (30362502)
福島 雅典 京都大学, 医学研究科, 教授 (80107820)
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キーワード | 人工骨 / 多孔体チタン / 生体活性 / レーザープリンティング |
研究概要 |
1.選択的レーザー焼結法による純チタン製インプラントを用いた動物実験 動物実験モデルとして兎大腿骨、ビーグル犬上腕骨、大腿骨の骨欠損モデルを作製した。それぞれの骨欠損の形状に適したインプラントを三次元CADにてデザインし、選択的レーザー焼結によるラピッドプロトタイピング法でインプラントを作製した。動物埋入後3週、6週、12週で摘出、内部構造、生体活性処理の違いによる骨組織形成能について組織学的評価を行った。その結果、選択的レーザー焼結法で作製した純チタン製インプラントにおいても従来の製法で作製した多孔性チタンと同様の骨親和性を有することが確認された。 2.インプラントのデザイン 実際の患者における脊椎の形状をMDCT画像データから解析を行った。また、ヒト死体骨脊椎のマイクロCT撮影を行って、内部構造の評価を行った。これらの情報を元に生体活性チタン多孔体製の脊椎固定術用インプラントの開発を行った。実際に臨床で使用されている脊椎固定術用インプラントの形状を参考にして、圧縮強度で10,000N以上、内部は連通率99%以上の多孔構造を有する臨床試験用生体活性チタン製インプラントを作製した。さらに、手術に必要なインプラント挿入器具のデザインと製作を併せて行った。 3.臨床研究に向けてのシステム作り、プロトコール作成 京都大学医学部附属病院探索医療センターの支援を受け、生体活性チタン多孔体を使用した脊椎固定術の臨床試験を行うためのプロトコールを作製した。具体的には、研究計画の倫理的・科学的妥当性、実施可能性などについて探索医療センターの各部門から客観的な評価を受けながら、試験実施計画書、患者説明・同意書、クリティカルパス、症例報告書の作製をおこなった。今後は、医の倫理委員会への提案さらには承認を得て臨床研究を実施する予定である。
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