研究課題/領域番号 |
19202001
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
加藤 泰史 南山大学, 外国語学部, 教授 (90183780)
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研究分担者 |
入江 幸男 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70160075)
舟場 保之 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (20379217)
宮島 光志 福井大学, 医学部, 准教授 (90229857)
山内 廣隆 広島大学, 文学研究科, 教授 (20239841)
高田 純 札幌大学, 外国語学部, 教授 (10111197)
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キーワード | ビジネスエシックス / 生命倫理学 / ドイツ応用倫理学 / CSR(企業の社会的責任) / 人間の尊厳 / 人格 / カント倫理学 / 功利主義 |
研究概要 |
第一年度である平成19年度は、研究課題を円滑に遂行するためにます「ドイツ応用倫理学研究会」を立ち上げて、「研究の目的」である「ドイツ応用倫理学の総合的研究」に取りかかった。この研究会は9回開催され、「研究実施計画」にもとづきながら、研究分担者や研究協力者の研究発表を行って問題意識の共有化を図ると同時に、ドイツの研究者とも連絡を取ってデュッセルドルフ大学のグリュンシュロス講師およびマールブルク大学のブラント教授、そしてマールブルク大学のタナカ講師を招聘し、「ドイツ応用倫理学研究会」で研究発表を行ってもらった。そこに参加した分担者や協力者と、グリュンシュロス講師とは「CSR(企業の社会的責任)」について、ブラント教授とは「生命倫理学における人格と人間の尊厳の問題」をめぐって、そしてさらにタナカ講師とはドイツのビジネスエシックスの潮流について討論を行った。グリュンシュロス講師およびタナカ講師からはドイツのビジネスエシックスの最新の研究状況とCSRの課題が明らかになり、ブラント教授からは人間の尊厳に関連して生命倫理学の諸問題を考察する場合のカント倫理学の限界と功利主義の意義とが重要な課題として示された。これらの論点はドイツ応用倫理学の特徴を把握する上できわめて重要であり、したがってビジネスエシックスおよび生命倫理学に関しては、今年度のこれらの研究発表から得ることのできた新たな知見にもとづきながら第二年度にシンポジウムをそれぞれ開催する予定である。また、この間他の分野も含めたドイツ応用倫理学に関する最新の文献の収集も進み、その中の重要な論文を批判的に分析・検討して第二年度には中間報告を兼ねた冊子を刊行する予定である。
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