研究課題/領域番号 |
19202001
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
加藤 泰史 南山大学, 外国語学部, 教授 (90183780)
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研究分担者 |
入江 幸男 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70160075)
舟場 保之 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (20379217)
宮島 光志 福井大学, 医学部, 准教授 (90229857)
山内 廣隆 広島大学, 文学研究科, 教授 (20239841)
高田 純 札幌大学, 外国語学部, 教授 (10111197)
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キーワード | エンハンスメント / サイボーグ化 / 尊厳の比較考量可能性 / 自由で依存的な存在者 / 道徳的主体としての企業 / 「ピラミッドの底辺」アプローチ / 「企画能力」としての<人間の尊厳> / 討議倫理学 |
研究概要 |
第二年度である平成20年度は、前年度に立ち上げた「ドイツ応用倫理学研究会」を継続的に開催し、前年度と同様に「研究実施計画」に従い、「研究の目的」である「ドイツ応用倫理学の総合的研究」を遂行した。今年度も平成20年9月にドイツから研究者を招いて企業倫理学と生命倫理学のシンポジウムを開催した。前者では特に「CSR(企業の社会的責任)」について、また後者では生命倫理学における「人間の尊厳」概念の内実をめぐって研究発表と討論を行った。また平成21年3月にはデュッセルドルフ大学で開催された応用倫理学に関するワークショップに参加した。そこでは経済倫理学と生命倫理学の諸問題が取り上げられ、前者に関しては「貧困」や「ナショナリティ」に焦点が当てられ、後者は「バイオ・ポリティックス」の問題が中心となった。そして、全体的に島田および松井の研究発表から「比較文化」の観点の重要性が再認識され、今後の日独の研究協力においてもそのことを踏まえることが確認された。企業倫理学シンポジウムによって道徳的主体としての企業の原理的・実践的考察を深めることができ、生命倫理学シンポジウムを通して日本における尊厳理解を歴史的・体系的に解明することが重要な課題として浮かび上がってきた。これらドイツ応用倫理学の特徴を把握する上で重要な論点にしたがって、企業倫理学および生命倫理学に関しては、今年度の研究発表から得ることのできた新たな知見にもとづき、第三年度もシンポジウムを開催する予定である。また、他の分野も含めたドイツ応用倫理学に関する最新の文献の収集をさらに進め、その中の重要な論文を批判的に分析・検討して第三年度には中間報告を兼ねた冊子を刊行する予定である。
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