(1)本研究は、ドイツにおける応用倫理学の各分野(生命・環境倫理学、ケア倫理学・ビジネス・エシックス、グローバルエシックス)の議論の動向を分析し、主要な論点を析出して、ドイツ応用倫理学の全体像を解明することを目的とする。 (2)そのさい特に「人間の尊厳」概念に焦点を当てて、それが各分野の議論で担っている役割と重層的関係を解明することが研究の中心を形づくる。 (3)析出された論点に関しては、ドイツ人研究者との直接討論の中で、またドイツの議論と英米圏の議論との比較検討を通して、その意義を確認しつつ、日本での応用倫理学の議論にフィードバックして一定の理論的貢献を図るとともに、最終的には人間の尊厳概念のグローバル・スタンダードを日本から発信するための視座を構築することを目指す。
|