研究課題/領域番号 |
19203024
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
桜井 久勝 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10127368)
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研究分担者 |
須田 一幸 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (00171273)
大日方 隆 東京大学, 経済学研究科, 教授 (20224305)
中野 誠 一橋大学, 商学研究科, 准教授 (00275017)
八重倉 孝 法政大学, 経営学部, 教授 (90308560)
音川 和久 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (90295733)
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キーワード | 会計情報 / 投資意思決定有用性 / 効率的市場仮説 / 企業価値評価モデル / 割引キャッシュフロー・モデル / 残余利益モデル / 資本コスト / 会計発生高 |
研究概要 |
本年度は、財務諸表によって伝達される会計情報を活用した企業価値評価の基礎概念・モデル・実践適用について、前年度に行った先行研究のレビューから明らかになった重要論点に関する実証分析を展開した。研究代表者と11名の研究分担者および4名の研究協力者が分担して取り組んだ具体的な課題とその成果は、印刷刊行した報告書の第1章から第14章に収録されており、その主要な内容は次のとおりである。第1部では、効率性の高い市場でもなおアノマリーが併存する可能性が十分にあり、会計情報に基づく企業価値評価が実践的有用性をもちうることを証拠づけている(第1章・第2章)。第2部では、会計情報を活用して企業価値を実際に算定し、関連の研究課題を実証的に分析している。第3章は株価乗数モデルにおける指標選択や類似企業の選択に関する分析、第4章は残余利益モデルと割引キャッシュフロー・モデルの優劣比較、第5章は残余利益モデルのインプットとしての包括利益と純利益の優劣比較、第6章はM&Aにおける残余利益モデルの有効性について、その分析結果を報告している。第3部では、相対的な優位性をもつ残余利益モデルの実践適用には、利益・配当・資本コストに関する予測が必要となる点に着目し、これらの予測に役立つ実証分析を展開している。第7章は残余利益モデルを構成する財務比率の特性に関する分析、第8章は残余利益の持続性と調整速度に関する分析、第9章は将来利益予測のためにキャッシュフローと会計発生高を区分する有効性、第10章は将来配当の予測を改善する増配選択企業の分析、第11章は利益率格差構造のグローバル・マクロ分析、第12章と第13章は資本コストの計測に関する分析について、それぞれの分析結果を報告している。そして、最後の第14章では、各章の発見事項と含意を体系的に要約している。
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