研究概要 |
当プロジェクトは,「公共圏の創成と規範理論の探究」を共有の問題関心としつつ,全体を支える理論的視角の考究を担当する「基礎理論」班と7つの個別具体的な問題領域を扱う7つの班の分担・協力によって研究活動を行った。個別具体的な7つの題領域とは,「グローバル化と市民的公共圏」,「移民・マイノリティと社会規範」,「メディア公共圏と社会規範」,「ユビキタス社会と社会規範」,「環境問題と社会規範」,「若者問題と社会規範」,「ケアと社会規範」である。これらの班に研究分担者30名と大学院生を中心とした55名の研究協力者が参加し,各個別班ごとの研究会や,国内および海外における調査活動を各班が並行して実施した。また,全体研究会を三回開催し,そのうち二回は各2名のゲスト講師を招いて講演と討論を行った。これらの研究活動を通して,本年度の成果としては,各分担者の雑誌論文や関連学会での発表とは別に,当プロジェクト独自の成果刊行物として,論文集1点,研究会講演記録集2点,問題別年表6点,聞き取り記録1点,翻訳1点の合計,11点をまとめることができた。このうち,論文集においては,本プロジェクトの共通基盤を探る試みとしての基礎理論の論文1本と,環境問題・環境運動にかかわる論文2本,国際社会に関する論文5本を掲載した。また,問題別年表は,整備新幹線問題,厚木基地・岩国基地騒音公害,カミネ油症問題,騒音問題,藤前干潟問題,小樽運河保全問題という6つの主題について,それぞれ詳細な年表を作成したものである。
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