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2008 年度 実績報告書

不安定核の二次核反応による中性子多体系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19204024
研究機関東京大学

研究代表者

下浦 享  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10170995)

キーワード不安定核ビーム / 中性子多体系 / 荷電交換反応 / ノックアウト反応 / 磁気分析器 / 中性子ドリップライン
研究概要

本研究は、不安定核ビーム(RIビーム)の中間エネルギー直接反応を用いて、3および4中性子系、超重水素同位体6,7Hおよび中性子ドリップラインを超えた軽い原子核を生成し、そこに発現する中性子相関を調べることにより、中性子多体系のダイナミックスを解明することを目的とする。具体的には、核子あたり100-200MeVの二重荷電交換反応およびαノックアウト反応の測定を行う。加速器を用いた実験は平成21年度以降に行う予定が、本年度は、そのための準備として以下の研究を行った。
(1)高分解能磁気分析器SHARAQ焦点面検出器(CRDC)の製作 本研究で測定する中間エネルギーの□粒子を含む軽い重イオンの焦点面における飛跡を高分解能で測定するために物質量の少ない低ガス圧で動作するCRDC(Cathod Readout Drift Chamber)を昨年度確定させた詳細仕様に基づき製作した。有感領域55cm×30cmの検出器2台で構成され、分割カソード(1024チャネル)に誘起される電荷分布の重心を求める。α線源および核子あたり200MeVの窒素ビームを用いて、半値幅300□m以下の分解能が得られることを実証した。
(2)多チャンネル検出器のための高速データ収集システムの開発 CRDCの多数の信号処理として、フランスで開発された前置増幅器にマルチプレクサを組み込んだASICを用いることとし、これを製作した。また、Multi-Hit TDCおよびFlash ADCといったデッドタイムのほとんどないアナログデジタル変換器を高速で読み出すための第一段階のシステムを製作しSHARAQスペクトロメータのコミッショニング実験に用いた。
(3)SHARAQスペクトロメータによる8Be測定シミュレーション 8Beから崩壊する2つのα粒子をSHARAQスペクトロメータで測定するためのシミュレーションに必要な、電磁石の精密な磁場測定を行った。高次の収差をふくむイオン光学上のパラメータがほぼ決まり、2粒子測定効率の見積もりのための基礎データが得られた。
(4)ノックアウト反応モデルの検討 中間エネルギー領域では、インパルス近似がよい精度で適用可能であることがわかり、それに基づくモデルの検討を始めた。□粒子ノックアウトに関しては、分光学的因子を殻模型とクラスター模型で見積もる方向で理論研究者との研究交流を図った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] High-resolution spectroscopy using RI beams-SHARAQ project2009

    • 著者名/発表者名
      S. Shimoura
    • 雑誌名

      International Journal of Modern Physics E (印刷中)(掲載確定)

  • [雑誌論文] SHARAQ spectrometer and GRAPE2008

    • 著者名/発表者名
      S. Shimoura
    • 雑誌名

      Nuclear Instr. and Meth. B 266

      ページ: 4131-4136

    • 査読あり
  • [学会発表] High-resolution spectroscopy using RI beams-SHARAQ project2008

    • 著者名/発表者名
      S. Shimoura
    • 学会等名
      New Paradigms in Nuclear Physics
    • 発表場所
      フランスポアンカレ研究所
    • 年月日
      2008-09-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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