研究課題/領域番号 |
19206014
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
三宅 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80209882)
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研究分担者 |
下村 浩一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (60242103)
池戸 豊 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 博士研究員 (90415050)
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キーワード | ミュオン / 超低速ミュオン / 超伝導電磁石 / GM冷凍機 / J-PARC / 水素原子 |
研究概要 |
本研究の目的は、高輝度・大強度超低速ミュオンビームを得るために、軸収束大立体角表面ミュオンソレノイド収集系の設計・開発を行うことである。従来の加速器施設では、生成標的から2次ビームを引き出すのに四重極電磁石を用いられてきた。この手法では高々40mSr程度の取り込み立体角しか得ることができない。しかしながら本科研費で提案している軸収束大立体角表面ミュオンの引き出し系(常伝導耐放射線ソレノイド+超伝導湾曲ソレノイド)では、400mSrの大立体角で2次ビームを引き出し、実験室への効率的な輸送が可能となる。この手法を確立することができればJ-PARC加速器施設において、世界最高強度表面ミュオンビーム(4MeV)を毎秒5×10^8個引き出す事ができる。現在のKEK、理研RAL施設での表面ミュオン強度は、各々毎秒10^4個(KEK)、毎秒5×10^5個(RAL)程度であり、3桁から5桁もの強度増強が可能である。その結果として、表面ミュオンを減速して得られる超低速ミュオンビームを飛躍的に大強度化(毎秒10^<4-5>個)することができ、表面・界面磁性、触媒化学等の研究に極めて大きいインパクトを与える事ができる。また、正の表面ミュオンだけでなく運動量が等価の貴ミュオンも同時に引き出すことができるというユニークな試みである。2008年度は、湾曲超伝導電磁石の、超伝導線材の購入し、超伝導コイルを設計、製作した。2009年度には、MgB2線材を用いたテストコイルの製作するとともに、セグメント化したテストコイルを湾曲状に配置し、電磁力の効果、発生磁場の精密測定を行い、最終的な湾曲ソレノイド電磁石の設計を完成させる予定である。
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