糖鎖異常に起因するヒト疾患モデルマウスの開発と発症機構の解析

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19300144
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 実験動物学
• 研究機関: 金沢大学
• 研究代表者: 浅野 雅秀 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (50251450)
• 研究分担者: 橋本 憲佳 金沢大学, 学際科学実験センター, 准教授 (50242524)
• 連携研究者: 吉原 亨 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 助教 (00401935) ; 杉原 一司 金沢大学, 医学系, 技術専門職員 (10377418)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• キーワード: IgA腎症 / ネフローゼ / 糖鎖 / ガラクトース転移酵素 / シアル酸生合成 / 行動解析

研究概要

ガラクトース転移酵素やシアル酸合成酵素の遺伝子改変マウスを解析することにより,IgA腎症やネフローゼの発症に糖鎖異常が関わっていることを明らかにした。また,ガラクトース含有糖鎖はその種類によって,空間学習・記憶や協調運動などの高次脳機能や初期発生にも重要な役割を担っていることを明らかにした。これらの成果は糖鎖の生物学的重要性を示すと共に,ヒト疾患の診断や治療に応用できると考えられる。

研究成果

• [雑誌論文] Impairment of embryonic cell division and glycosaminoglycan biosynthesis in glucuronyltransferase-I deficient mice. (2010)
  • 著者名/発表者名: Izumikawa, T., Kanagawa, N., Watamoto, Y., Okada, M., Saeki, M., Sakano, M., Sugahara, K., Sugihara, K., Asano, M., Kitagawa, H.
  • 雑誌名: J. Biol. Chem. 285 ページ: 12190-12196
  • 査読あり
• [雑誌論文] Important role of heparan sulfate in postnatal islet growth and insulin secretion. (2009)
  • 著者名/発表者名: Takahashi, I., Noguchi, N., Nata, K., Yamada, S., Kaneiwa, T., Mizumoto, S., Ikeda, T., Sugihara, K., Asano, M., Yoshikawa, T., Yamauchi, A., Shervani, N.J., Uruno, A., Kato, I., Unno, M., Sugahara, K., Takasawa, S., Okamoto, H., Sugawara, A.
  • 雑誌名: Biochem. Biophys. Res. Commun. 383 ページ: 113-118
  • 査読あり
• [雑誌論文] Learning/memory impairment and reduced expression of the HNK-1 carbohydrate in β4-galactosyltransferase-II-deficient mice. (2009)
  • 著者名/発表者名: Yoshihara, T., Sugihara, K., Kizuka, Y., Oka, S., Asano, M.
  • 雑誌名: J. Biol. Chem. 284 ページ: 12550-12561
  • 査読あり
• [雑誌論文] Development of immunoglobulin A nephropathy-like disease in β-1, 4-galactosyltransferase-I deficient mice (2007)
  • 著者名/発表者名: Nishie, T., Miyaishi, O., Azuma, H., Kameyama, A., Naruse, C., Hashimoto, N., Yokoyama, H., Narimatsu, H., Wada, T., Asano, M.
  • 雑誌名: Am. J. Pathol. 170 ページ: 447-459
  • 査読あり
• [学会発表] β1-4結合型ガラクトース糖鎖は造血幹細胞の骨髄へのホーミングに必須である (2009)
  • 著者名/発表者名: 高垣聡一郎, 西江敏和, 浅野雅秀
  • 学会等名: 第32回日本分子生物学会, ワークショップ
  • 発表場所: パシフィコ横浜(神奈川県)
  • 年月日: 2009-12-10
• [学会発表] GNE V572L点変異マウスにおける腎病変の発症機序とシアル酸糖鎖の関係 (2009)
  • 著者名/発表者名: 伊藤光俊, 浅賀知也, 杉原一司, 吉原亨, 和田隆志, 浅野雅秀
  • 学会等名: 第32回日本分子生物学会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(神奈川県)
  • 年月日: 2009-12-10
• [学会発表] Learning/memory impairment and reduced expression of the HNK-1 carbohydrate inβ-1, 4-Galactosyltransferase-II-deficient mice (2009)
  • 著者名/発表者名: Toru Yoshihara, Kazushi Sugihara, Yasuhiko Kizuka, Shogo Oka Masahide Asano
  • 学会等名: 第32回日本神経科学大会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場(愛知県)
  • 年月日: 2009-09-17
• [学会発表] テストバッテリー方式によるGNE点変異マウスの行動解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 吉原亨, 杉原一司, 浅賀知也, 浅野雅秀
  • 学会等名: 第56回日本実験動物学会
  • 発表場所: 大宮ソニックホール(埼玉県)
  • 年月日: 2009-05-14
• [学会発表] GNE V572L点変異マウスにおけるDMRV様病態発症機序と糖鎖の関係 (2008)
  • 著者名/発表者名: 伊藤光俊, 浅賀知也, 杉原一司, 吉原亨, 山本章嗣, 浅野雅秀
  • 学会等名: 第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 神戸国際会議場(兵庫県)
  • 年月日: 2008-12-11
• [学会発表] GNE点変異マウスにおける不安行動の亢進-GNE V572Lマウスの行動特性および組織学的解析- (2008)
  • 著者名/発表者名: 吉原亨, 杉原一司, 伊藤光俊, 浅賀智也, 浅野雅秀
  • 学会等名: 第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 戸国際会議場(兵庫県)
  • 年月日: 2008-12-11
• [学会発表] β4-ガラクトース転移酵素-5はマウス初期胚の胚体外組織の形成に必須である (2008)
  • 著者名/発表者名: 引持陽子, 西江敏和, 福住好恭, 座間宏太, 伊東信, 浅野雅秀
  • 学会等名: 第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 神戸国際会議場(兵庫県)
  • 年月日: 2008-12-11
• [学会発表] What do mice tell us about IgA nephropathy? (2008)
  • 著者名/発表者名: Asano, M.
  • 学会等名: ASN Renal Week 2008, Invited speech
  • 発表場所: Philadelphia, PA, USA.
  • 年月日: 2008-11-07
• [学会発表] LacCer合成酵素活性を担うβ4-ガラクトース転移酵素-5はマウス初期発生に必須である (2008)
  • 著者名/発表者名: 西江敏和, 福住好恭, 座間宏太, 引持陽子, 伊東信, 浅野雅秀
  • 学会等名: 第55回日本実験動物学会
  • 発表場所: 仙台国際センター(宮城県)
  • 年月日: 2008-05-17
• [学会発表] 縁取り空胞型遠位型ミオパチーモデルマウスの開発と発症機序の解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 杉原一司, 浅賀知也, 伊藤光俊, 吉原亨, 山本章嗣, 浅野雅秀
  • 学会等名: 第55回日本実験動物学会
  • 発表場所: 仙台国際センター(宮城県)
  • 年月日: 2008-05-17
• [学会発表] 初期胚発生におけるβ4-ガラクトース転移酵素-5遺伝子の役割 (2007)
  • 著者名/発表者名: 西江敏和, 福住好恭, 座間宏太, 伊東信, 浅野雅秀
  • 学会等名: 第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(神奈川県)
  • 年月日: 2007-12-14
• [学会発表] 縁取り空胞型遠位型ミオパチーモデルマウスの開発と発症機序の解析 (2007)
  • 著者名/発表者名: 浅賀知也, 杉原一司, 伊藤光俊, 吉原亨, 西江敏和, 和田隆志, 山本章嗣, 浅野雅秀
  • 学会等名: 第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(神奈川県)
  • 年月日: 2007-12-14
• [学会発表] β4GalT-2ノックアウトマウスの学習・記憶障害と脳におけるHNK-1糖鎖の発現低下 (2007)
  • 著者名/発表者名: 吉原亨, 杉原一司, 木塚康彦, 岡昌吾, 浅野雅秀
  • 学会等名: 第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(神奈川県)
  • 年月日: 2007-12-12
• [学会発表] ガラクトース転移酵素遺伝子欠損マウスに発症するIgA腎症の病態と発症機序 (2007)
  • 著者名/発表者名: 浅野雅秀, 西江敏和, 宮石理, 成松久, 和田隆志
  • 学会等名: 第37回日本腎臓学会東部学術大会
  • 発表場所: ワークショップ(招待), 大宮ソニックホール(埼玉県)
  • 年月日: 2007-10-06
• [学会発表] テストバッテリー方式によるβ4-GalT-II欠損マウスの行動解析 (2007)
  • 著者名/発表者名: 吉原亨, 杉原一司, 浅野雅秀
  • 学会等名: 第54回日本実験動物学会
  • 発表場所: タワーホール船堀(東京都)
  • 年月日: 2007-05-23
• [図書] IgA腎症の発症には糖鎖がからんでいる(第3の生命鎖:糖鎖の謎が今,解るクバプロ) (2009)
  • 著者名/発表者名: 浅野雅秀
  • 総ページ数: 123-130
• [図書] 免疫グロブリンAの糖鎖不全と腎臓疾患 (2008)
  • 著者名/発表者名: 浅野雅秀
  • 総ページ数: 1611-1616
  • 出版者: 共立出版
• [図書] IgAの糖鎖不全とIgA腎症(生化学) (2007)
  • 著者名/発表者名: 浅野雅秀,西江敏和ミニレビュー
  • 総ページ数: 673-678
  • 出版者: 日本生化学会
• [備考]
  • URL: http://web.kanazawa-u.ac.jp/~asrc/index.html
• [産業財産権] GNE遺伝子に変異を有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物 (2007)
  • 発明者名: 浅野雅秀, 浅賀知也, 杉原一司, 吉原亨
  • 権利者名: 金沢大学
  • 産業財産権番号: 特許特願2007-280909
  • 出願年月日: 2007-10-29