研究課題/領域番号 |
19310118
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研究機関 | 独立行政法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
堀内 茂木 独立行政法人防災科学技術研究所, 防災システム研究センター, 研究参事 (50425500)
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研究分担者 |
正木 和明 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90078915)
香川 敬生 (財)地球地盤環境研究所, 地球科学研究部門, 統括グループ長 (50450911)
入倉 孝次郎 愛知工業大学, 地域防災研究センター, 客員教授 (10027253)
中村 洋光 独立行政法人防災科学技術研究所, 防災システム研究センター, 任期付研究員 (60426004)
青井 真 独立行政法人防災科学技術研究所, 防災システム研究センター, 主任研究員 (80360379)
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キーワード | 巨大地震 / 震源域のリアルタイム推定 / P波距離減衰式 / P波3秒間データ / 経験式 / 三河地域強震ネット / 震度推定 / 単独観測点処理 |
研究概要 |
ア)リアルタイム地震動予測に用いる距離減衰式の開発P波震度の距離減衰式を、Qによる減衰は小さく、幾何減衰に大きく支配されていると仮定したモデル、logA=aM-blogX+c、で表されると仮定し、係数a,b,cをP波初動3秒間のデータを利用して推定した。Aは、P波初動部の最大加速度、Xは震源距離、Mはマグニチュードである。その結果、P波初動部の加速度データを使って、震度推定が可能であることが調べられた。 イ)面的震源のリアルタイム予測詳細な震源域の分布をリアルタイムで推定することは困難である。しかし、震源域のおおよその広がりが推定できれば、地震災害のリアルタイム予測に貢献できる。そこで、P波部分の震度の時間変化のデータを使い、震度データを満足する震源位置を推定し、それにより、震源域のおおよその広がりを推定する手法を開発した。2003年十勝沖地震について、調べた結果、波形のインバージョンで推定されたアスペリティの位置と、震度から推定された震源が対応していることが示された。 ウ)ローカルネットワークによる巨大地震の震源域の推定巨大地震が発生した場合、気象庁による震源とマグニチュードだけで、正確な震度を推定することは困難である。そこで、三河地域で観測が行われている30観測点のリアルタイムデータを利用して、震度を推定するための経験式の作成を行った。また、単独観測点のP波データを利用して、震源距離を推定できれば、震源域のリアルタイム推定に利用可能であると思われる。そこで、長周期成分と短周期成分との比を求めることにより、Qによる減衰の影響を求め、その値から、震源距離を推定するための経験式を求めた,高い周波数と、低い周波数との振幅比を用いる方法は、震源距離の推定精度は高く、巨大地震の震源域のリアルタイム推定に有効であると思われる。
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