研究課題/領域番号 |
19320002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 正勝 京都大学, 文学研究科, 教授 (90165390)
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研究分担者 |
伊坂 青司 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (30175195)
岡田 勝明 姫路獨協大学, 外国語学部, 教授 (00203985)
小浜 善信 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10124869)
加藤 泰史 南山大学, 外国語学部, 教授 (90183780)
高坂 史朗 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (20170178)
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キーワード | 日本哲学 / 西洋哲学 / 比較思想 / 西田幾多郎 |
研究概要 |
本年度は本研究の初年度でもあり、まず、本研究を通して明らかにしようとする課題と、それがもつ意義に関して全員で議論を行い、研究の力点を、日本とヨーロッパの哲学者のあいだでなされた思想交流、それが日本の哲学の発展・形成に与えた影響、西洋哲学との比較という観点から見た日本哲学の特徴、およびそれがもつ現代的意義ないし可能性という点に置くことを確認した。その上で研究分担者がそれぞれ、どのような領域の研究を担当し、具体的にどのような哲学者の思想形成をその主たる研究対象にするかという点に関して意見を交換した。次にその議論を踏まえて、それぞれが担当する領域と人物に関して、実際にどのような交流ないし思想的な影響関係があったのか、それを通してそれぞれの哲学者のなかでどのような思想形成が行われたか、その思想の特徴はどのような点にあるのかを跡づけるために、資料・文献の調査や収集を行い、収集した資料をもとに、具体的な思想形成の跡を解明する作業を開始した。旅費や設備備品、および資料の調査・整理に対する謝金等は、当初の計画通り、これらの研究を遂行するために使用した。この作業を通して浮かび上がってきた点として、日本の哲学者のドイツやフランスへの留学経験が、その独自な思想形成に大きな役割を果たしたことが挙げられる。現象学や生の哲学、哲学的人間学などの新しい思想潮流の形成過程に直接触れることから得た刺激が、独自の思索の基礎となっていったと考えられる。その刺激が具体的にどのようなものであったのか、そしてそこからどのように独自の思想を形成していったのかという点に目下研究の力点を移しつつある。
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