本研究はプラトン『国家』篇、『法律』篇、アリストテレス『政治学』という古典期ギリシャにおいて成立した政治哲学に関する三大著作を研究主題とし、[I]まず、それぞれの固有性を明らかにすると同時に、それらの間の異同をその構成上、内容上の両観点から攻究し、これら三大著作によって作り上げられている古典期におけるギリシャ政治哲学の全貌、さらにそれが人類一般の平和なる共生の秩序の構築に関して、いまなお有する「理念」としての普遍的意義を明らかにする。[II]ついで、これら三大著作が後代に対して、それぞれの時代、それぞれの地域で、この三大著作のそれぞれが個々にどのように受容され、また、それぞれの時代の政治理念としてどのような影響を与えたのかの仔細を精細に検討することを目指す。
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