研究課題/領域番号 |
19320023
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・美術史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ゴチェフスキ ヘルマン 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (00376576)
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研究分担者 |
長木 誠司 京都大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50292842)
渡辺 裕 京都大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80167163)
岡田 暁生 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (70243136)
安田 寛 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (10182338)
高橋 雄造 昭和大学, 富士吉田教育部, 非常勤講師 (60055225)
三輪 眞弘 情報科学芸術大学院大学, メディア表現専攻科, 教授 (20336647)
佐近田 展康 名古屋学芸大学, メディア造形学部, 准教授 (20410897)
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研究協力者 |
RICHES Martin Berlin, Germany
HEESOOK Oh Seoul National University, South Korea
SEBASTIAN Klotz Universitat Leipzig, Germany
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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キーワード | 音楽美学 / 機械芸術 / メディア論 |
研究概要 |
機械、言い換えれば決まった行動を繰り返して行うために作られた装置は古代から自然的事象(たとえば宇宙の移り変わり)のモデルとして使われ、象徴性の高いものだった。一方、音楽も宇宙調和の象徴と見なされてきた。従って音楽を規制する規則や約束が機械のメカニズムと同一視することができ、実際にこの比喩が古代から現代まで多くの文献に見られるものである。古代から近代までの音楽機械-より一般的に言えば「音を発する機械」-のデザインには宇宙調和を暗示する部分、または機械全体が宇宙調和を象徴することが常に見られるものである。逆に中世の機械時計-これらは昼と夜という自然の移り変わりのモデルとして考えられた-にも常に規定された時間にメロディーを奏でる音楽機械(自動カリヨン)が付けられた。しかし音楽を「人間的な」、「命のある」行動とし、つまり「死んでいる」素材から作られた機械からは発生しえないものと定義し、機械による音楽の模倣を否定する考えもある。また、人間による「機械的な練習」の結果である「機械的な演奏」も「非音楽的な」、つまり音楽の本質と相容れない行動として批判されるのである。特に機械装置が日常生活で徐々に重要な役割を果たすようになった18・19世紀にはこのような批判が多くなる。しかし20世紀には生産機械のリズムが現代の本来の響きであると主張する美学的運動も起こった。けれども、最近二三十年には音楽のデジタル化によって音楽における物理的な機械の意義が根本的に変わったと考えられる。この研究では、音楽思想において自動装置が果たしてきた役割を歴史を通して検討した。この研究のもう一つの重点として複数の歴史的音楽機械のコンピューター・シミュレーションを作り、さらに機械アーティストと作曲家による共同作品の創作も行われた。研究成果を2つの展覧会と複数の演奏会やシンポジウムで発表した。
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