研究課題/領域番号 |
19320036
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大谷 雅夫 京都大学, 文学研究科, 教授 (80152172)
|
研究分担者 |
川合 康三 京都大学, 文学研究科, 教授 (40108965)
宇佐美 文理 京都大学, 文学研究科, 准教授 (70232808)
大槻 信 京都大学, 文学研究科, 准教授 (60291994)
森 真理子 京都大学, 国際交流センター, 教授 (30230080)
齋藤 茂 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (30134430)
|
キーワード | 和漢聯句 / 連歌 / 俳諧 / 中世文学 / 聯句 |
研究概要 |
平成十九年度は和漢聯句揺籃期の作品『至徳三年(一三八六)秋、和漢聯句百韻』の会読を毎月行った。これは二条良基、義堂、絶海らの当時の文人たちを中心とした聯句であり、和漢聯句最初期における記念碑的作品である。もちろん今日まで注釈がなされてこなかったものであり、その読解には日本文学中国文学双方の知識が必要とされるため困難を極めるが、和漢聯句を専門とする和光大学の深沢眞二教授や中国の聯句を専門とする大阪市立大学の齋藤茂教授など、外部からも多くの研究者に参加していただいて活発な議論を重ね、また和句の方は国文学研究者に、漢句の方は中国文学研究者にそれぞれ担当を分担することで、より精度の高い注釈を完成させることができた。この一年間に六十八句目まで読み進めたが、平成二十年度も引き続き会読を進め、この成果は年度末に訳注書として出版する予定である。 また、和漢聯句の会読と平行して、各図書館に散らばっている和漢聯句を収集し翻刻する作業も進めていった。資料面での研究基盤整備を意図したものであり、すでに平成十九年三月の時点で中間報告として『享禄以前 和漢・漢和聯句集』を制作した。だが同書には不備な点が多く見られるため、翻刻作業を一からやり直し、新たに検討を重ねていった。この成果が平成二十年三月に臨川書店より出版された『室町前期 和漢聯句作品集成』である。これは最初期から享禄以前までの和漢聯句九十八点を翻刻した研究史上初の公刊された和漢聯句翻刻集であり、その資料的価値は極めて高い。
|