研究分担者 |
関戸 明子 群馬大学, 教育学部, 准教授 (50206629)
島津 俊之 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (60216075)
荒山 正彦 関西学院大学, 文学部, 教授 (70263184)
中島 弘二 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (90217703)
福田 珠己 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (80285311)
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研究概要 |
今年度は最終年度に当たるので,3年間の研究の取りまとめと成果報告を中心に活動した。6月と12月に研究会を開き成果の確認を行い,3月には沖縄県立芸術大学の科研グループと合同報告会を行った。郷土表象の源流班では哲学的視角から「郷土なるもの」の位相を探求した。郷土教育研究班と制度的介入研究班は,引き続き明治43年群馬県における教育品展覧会と郷土誌編纂事業の共働性と実態を明らかにする一方,絵葉書や写真帳などのメディアや博物館における「郷土」の表象形態について検討を行った。郷土表象の展開研究班では,「郷土なるもの」をマルチ・スケールでとらえ,国民/国家的情動の生成プロセスを考察したほか,たとえば沖縄のような地域におけるアイデンティティ・ポリティクスのダイナミズムについて,また日出生台や辺野古のような基地施設をめぐる場所の政治学について具体的事例をもとに検討した。さらには,「日本」と「みどり」の親縁性をめぐる言説の再考も行った。このほか,戦前期の海上ツーリズムを通じてみた「内地」と「外地」の表象の実際や戦前期の鉄道旅行の普及と従来の観光地の変容に関する研究も得られた。以上,これら今年度の研究成果の一部は,研究分担者それぞれが,国内外の諸学会で発表してきた。2009年8月に京都大学で開催された14^<th> International Conference of Historical Geographersにおいては海外からの参加者と有意義な議論を交わし,海外の事情との比較ができたことは大きな収穫といえよう。 なお,2009年3月に日本地理学会で行ったシンポジウムの記録がE-journal GEO第4巻2号に掲載されているので参照されたい。 http://wwwsoc.nii.ac.jp/ajg/ejgeo/4_134.pdf
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