研究分担者 |
佐久間 孝正 立教大学, 社会学部, 教授 (80004117)
イシカワ・エウニセ アケミ 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (60331170)
山脇 千賀子 文教大学, 国際学部, 准教授 (40302343)
坪谷 美欧子 横浜市立大学, 国際総合科学部, 准教授 (80363795)
森 千香子 南山大学, 外国語学部, 講師 (10410755)
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研究概要 |
平成19年度は,滞目外国人の家族を,出稼ぎ型家族,国際結婚型家族,中国帰国者家族に分け,それぞれの家族問題と子どもの教育問題についてインフォーマントを介して聞き取りを行なった。その結果,次のことが明らかになった。 1.ブラジル人家族など南米系の出稼ぎ型家族においては長時間不規則労働による家族生活の歪みが,子どもとの接触時間を減じ,しつけ・教育への配慮を困難にしている。子どもの教育プランについて明瞭に語る者は少なく,暫定的に民族学校に通わせる態度もみられる。 2.国際結婚型のフィリピン人の場合,日本人の夫からのDVや離婚の強要などに悩むケースが多く,これらの家庭では,子どももトラウマを経験し,その成長に悪影響が及んでいる。離婚や別居によって母子家庭となる場合,経済的困窮に陥り,生活保護を受けるケースも多い。その場合,子どもを計画的に教育するごとはきわめてむずかしいよいである。 3.中国帰国者家族では,親たちが社会生活に十分参加できないため,子どもの教育について方針をもつことが困難なようである。日本の学校制度もあまりよく理解されていない。子どもたちは自分の努力で高校進学までは果たすようであるが,将来の職業生活への展望はもてていないようである。
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