研究概要 |
1平成20年度の研究活動の一環として、当補助金の部分的サポートにより、原則として毎月一回、京大と東大において交互にワークショップ「ゲージ理論関数解析セミナー」が行われた。後述の加藤氏の研究発表に関連する領域を中心とする。講演者は連携研究者加藤毅(京大理)の他、塚本真輝(京大理)、中村信裕(東大数理GCOE),笹平史裕(東工大)、松尾信一郎(東大数理)、橋本義武(阪市大)の諸氏であった。 2代表者古田、連携研究者亀谷幸生を中心として原則として毎週一回ゲージ理論に関するセミナーが東大および慶応大で行われ、そこで清野和彦氏(東大)は可微分化不可能な群作用の族を見出した。 3「ゲージ理論的研究」と関連して、古田は吉田尚彦(明治大学)、藤田玄(学習院大学)との昨年度の共同研究を進展させ、局所的なトーラス束構造をもつ多様体に対してDirac 型作用素の局所化現象を拡張した。応用として量子化予想の別証明、およびVerlinde 公式の特殊な場合(種数2の閉曲面上SO(3)束)別証明を得た。 4当研究の目標は、ゲージ理論に典型的に現れる非線形Fredholm写像の、幾何学の有限次元近似による考察である。その中で上記3の占める位置は二重である (1)非線形写像の第一近似としての線形写像の有限次元近似であり、理論の一ステップを占める。 (2)応用として2次元ゲージ理論と密接に関連するVerlinde公式へのひとつのアプローチが得られた。
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