最近の詳細な基本解評価を参考にしつつ、より巧みに重み関数を構成することで、エネルギー法の見直しを行い、最小限の基本解の性質をエネルギー法と組み合わせることで必要な結果を導出することを計画する。 (1)単独粘性保存則の解の漸近挙動について考察が不十分な問題、特に流束が凸でない場合を詳細に調べる。 (2)一次元粘性流体の方程式の3×3システムの解の漸近挙動、特に、中国科学院との共同研究によって、接触不連続解に関連する場合を詳細に調べる。また、これまでの一次元で漸近安定性が示されている波の多次元安定性を調べる。 (3)半導体の流体モデルの研究に対して、工学的にも重要なエネルギー方程式を加えた半導体の方程式(エネルギー輸送モデル)を量子効果も考慮に入れつつ考察し、これまでエネルギー効果や量子効果を考慮せずに得られていた様々な数学的結果を拡張する。 (4)研究代表者および関西地区の分担者が常に参加するセミナーを毎週定期的に大阪大学で行う。 (5)毎年7月に京都大学・数理解析研究所における研究集会「流体と気体の数学解析」に参画し、これに参加する研究者の旅費の一部援助を行う。 (8)毎年、数人の海外研究協力者を研究打ち合わせのため招聘すると共に、国内外の関連研究集会に積極的に参加し、討論・発表・交流を行う。
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