研究概要 |
物質の特異性や分子の様々な機能が発現する要因の一つに分子の量子力学的振る舞いがある。その中で特に,非断熱遷移は特異性を現す基本的なメカニズムをなしている。本研究課題では,Zhu-Nakamura理論に基づき開発された汎用基礎理論を用い,この非断熱現象を生物系においては解明から研究を始め,新しい反応機構を見出した。一方,分子設計においてその現象を積極的に応用し,分子の機能発現と反応制御の実現を目指し,実験実証まで行うことができた。最後に本研究課題の総括として,国際会議「The 69th Okazaki Conference on "New Frontier in Quantum Chemical Dynamics"」を主催し,様々な学際的分野において非断熱現象の重要性とこの研究の将来性を,十分示すことが出来たと思われる。
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