研究課題/領域番号 |
19360418
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
伊藤 公孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (50176327)
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研究分担者 |
佐貫 平二 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (80109355)
登田 慎一郎 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教 (60332186)
村上 定義 京都大学, 大学院・工学研究科原子核工学専攻, 准教授 (40249967)
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キーワード | プラズマ乱流 / 核融合燃焼 / 輸送現象 / 高エネルギー粒子 / 帯状流 / 長距離相関現象 / 過渡応答 |
研究概要 |
この研究においては、核融合燃焼プラズマの輸送理論の基盤を展開することを目的とするが、特に次の点を焦点とする。即ち、トロイダルプラズマの乱流や構造形成の理論およびそれらの実験による検証など、基礎的な方法論に関する近年の急速な進展を、核融合反応が起きているプラズマへと適用し、将来の核融合実験炉を用いた研究に必要となる輸送理論の基盤を提示することである。トロイダルプラズマの乱流輸送現象が、微視的な揺動の非線型発展だけではなく帯状流などメゾスケール・ダイナミックスや、巨視的径電場など、異なるスケールの非線型過程の結合に強く影響されていることを重視する。 計画初年度には研究の具体的構想をたて、核融合燃焼過程と多スケール結合効果を繰り込んだ乱流輸送の理論を開拓し、平行して、その原理の検証法を提案するための手順を考えた。トロイダルプラズマを例として取り、(非線型不安定性駆動の場合まで含めた)ミクロ乱流ダイナミクスと、帯状流などのメゾスケール構造との結合を繰り込み研究する。具体的には、帯状流の減衰率や、径方向のスケール長選択則にたいする影響を検討した。帯状流の非線形過程を繰り込んだ輸送理論を展開し、従来の準線形理論では取り扱う事の出来なかった異常粘性の理論を定式化したこと[Turbulent Transport of Poloidal Momentum in Toroidal Plasmas,J.Phys.Soc.Jpn.76(2007)084502]など、次ページに記す成果を得た。こうした理論定式化に基づき、多スケールを内在する構造理論を展開している。
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