研究課題/領域番号 |
19390217
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
石川 義弘 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40305470)
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研究分担者 |
佐藤 元彦 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40292122)
奥村 敏 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (60233475)
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キーワード | 自律神経 / 心機能 / cAMP / カテコラミン / 分子 |
研究概要 |
本年度では、心臓におけるcAMPシグナルの変化が、心機能にどのような影響を及ぼすのかを、心臓に特異的に発現する5型アデニル酸シクラーゼの観点から検討した。心臓型アデニル酸シクラーゼは自律神経刺激によって酵素活性を上昇させ、 cAMPを産生して心機能を制御するからである。我々は、当初の計画に沿って、アデニル酸シクラーゼ過大発現モデルにおける変化を検討した。5型ノックアウト動物において各種ストレス負荷に対して心筋保護作用があり、交感神経制御が低下するのなら、過大発現ではその反対が推測された。5型過大発現モデルでは、心機能の亢進が見られるとともに、カテコラミン刺激によって心筋アポップトーシスの亢進が観察され、当初の仮説である5型サブタイプの心機能制御における重要性が確認された。さらに重力刺激を変化させた場合に自律神経刺激の変化によって、心拍数変動に変化がおこることが知られているが、昨年までの実績において、5型サブタイプノックアウトにおいては、心拍数変動から推測した自律神経制御機構の低下が見られ、逆に過大発現モデルにおいては制御機構の亢進が見られた。そこで本年度においては5型サブタイプの選択的な作動薬を用いて、野生型マウスに投与した場合にも遺伝子操作を施したモデルと同様の変化が見られるかを検討した結果、我々の開発してきた5型サブタイプ選択的刺激剤で交感神経制御の亢進が、同阻害剤で低下が見られることが確認された。これらの結果から我々の仮説の正当性が証明された。
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