切除可能中等度進行食道癌の治療、食道切除か根治的化学放射線治療か:多施設研究

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19390357
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 消化器外科学
• 研究機関: 久留米大学
• 研究代表者: 藤田 博正 久留米大学, 医学部, 教授 (20129638)
• 研究分担者: 田中 寿明 久留米大学, 医学部, 講師 (20227151) ; 早渕 尚文 久留米大学, 医学部, 教授 (20108731) ; 柳川 堯 久留米大学, 医学部, 教授 (80029488) ; 夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (70237577) ; 平木 嘉幸 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 講師 (90264423) ; 永安 武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (80284686) ; 林 靖之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (90218587) ; 川原 克信 大分大学, 医学部, 教授 (80152990) ; 松本 陽 大分大学, 医学部, 助教 (50336260) ; 馬場 秀夫 熊本大学, 医学薬学研究部, 教授 (20240905) ; 大屋 夏生 熊本大学, 医学薬学研究部, 教授 (70281095) ; 山下 裕一 福岡大学, 医学部, 教授 (50182506) ; 吉満 研吾 福岡大学, 医学部, 教授 (20274467) ; 北島 吉彦 佐賀大学, 医学部, 講師 (30234256) ; 徳丸 直郎 佐賀大学, 医学部, 助教 (90304899) ; 西巻 正 琉球大学, 医学部, 教授 (70242427) ; 村山 貞之 琉球大学, 医学部, 教授 (60239548) ; 前原 喜彦 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80165662) ; 本田 浩 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90145433) ; 田中 文明 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (30332836) ; 宮坂 光俊 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (10457434) ; 中村 和正 九州大学, 大学病院, 准教授 (20284507) ; 白日 高歩 福岡大学, 医学部, 教授 (20038863)
• 研究協力者: 藤也 寸志 国立病院機構九州がんセンター ; 佐々木 智成 国立病院機構九州がんセンター ; 野添 忠浩 国立病院機構九州東医療センター ; 古屋 暁生 国立病院機構九州東医療センター ; 原 信介 佐世保市立総合病院 ; 六蔵 正英 佐世保市立総合病院 ; 池尻 公二 国立病院機構九州医療センター ; 上原 智 国立病院機構九州医療センター ; 北村 昌之 公立学校共済組合九州中央病院 ; 松村 泰成 公立学校共済組合九州中央病院 ; 松浦 弘 済生会福岡総合病院 ; 鳥羽 隆史 済生会福岡総合病院 ; 宮崎 充啓 飯塚病院 ; 和田 進 飯塚病院 ; 佐藤 清治 佐賀県立病院好生館 ; 渡辺 哲雄 佐賀県立病院好生館
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• キーワード: 切除可能食道癌 / T2T3食道癌 / 食道切除 / 根治的化学放射線療法 / インフォームド・コンセント / 前向き臨床試験 / 多施設研究

研究概要

切除可能な中等度進行食道癌に対する食道切除と根治的化学放射線療法の治療成績を、多施設共同前向き臨床試験により比較した。食道切除43例の1年・2年生存率は79%と51%、化学放射線療法9例の1年生存率は63%、2年生存例はなく、食道切除の方が予後良好であった(p=0.033)。治療後のQOLは6カ月後に化学放射線療法例が低下していたが(p=0.035)、1年後に回復し、両群間で差がなかった。中等度進行食道癌には食道切除を選択する方が良い。

研究成果

• [雑誌論文] 食道癌のSalvage surgery日本消化器病学会雑誌 (2009)
  • 著者名/発表者名: 藤田博正、的野吾、田中寿明、白水和雄
  • 雑誌名: 106巻 ページ: 779-786
• [雑誌論文] Follow-up and recurrence after a curative eso-phagectomy for patients with esophageal cancer (2009)
  • 著者名/発表者名: Toh Y, Oki E Minami K, Okamura T.
  • 雑誌名: the first indicators for recurrence and their prog-nostic values. Esophagus. 7巻 ページ: 37-43
  • 査読あり
• [雑誌論文] 根治的化学・放射線療法後の食道癌サルベージ手術の現状の問題点と対策 (2009)
  • 著者名/発表者名: 定永倫明、森田勝、吉田倫太郎、吉永敬士、佐伯浩司、江見泰徳、掛地吉弘、前原喜彦
  • 雑誌名: 外科治療 101巻 ページ: 53-58
• [雑誌論文] 進行食道癌の治療戦略 (2008)
  • 著者名/発表者名: 田中寿明、藤田博正、田中裕一、的野吾、津福達二、西村光平、山名秀明、末吉晋、白水和雄
  • 雑誌名: 癌の臨床 54巻 ページ: 969-974
• [学会発表] 食道癌手術例に対する化学療法 (2009)
  • 著者名/発表者名: 田中寿明、的野吾、永野剛志、田中優一、西村光平、村田一貴、山名秀明、白水和雄、藤田博正
  • 学会等名: 第61回日本気管食道科学会総会ならびに学術講演会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-11-05
• [学会発表] 食道癌に対するサルベージ手術を含めたCRTの成績とDCF併用化学放射線療法の有用性 (2009)
  • 著者名/発表者名: 渡邊雅之、斎藤誠哉、蔵重淳二、木下浩一、平島浩太郎、辛島龍一、佐藤伸隆、今村裕、日吉幸晴、長井洋平、田嶋ルミ子、岩上志朗、池田貯、林尚子、馬場秀夫
  • 学会等名: 第47回日本癌治療学会学術集会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-10-23
• [学会発表] StageII/III食道癌に対する術前化学療法の有用性の検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 下地英明、西巻正, 他
  • 学会等名: 第47回日本癌治療学会学術集会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-10-23
• [学会発表] 食道癌に対する術前および根治的化学放射線療法の位置づけ (2009)
  • 著者名/発表者名: 森田勝、神代竜一、中西良太、久松雄一、久保信英、中ノ子智徳、藤中良彦、杉山雅彦、吉田倫太郎、吉永敬士、佐伯浩司、江見泰徳、掛地吉弘、塩山善之、前原喜彦
  • 学会等名: 第47回日本癌治療学会学術集会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-10-22
• [学会発表] 食道扁平上皮癌に対するlow-dose FP併用による化学放射線療法の治療成績 (2009)
  • 著者名/発表者名: 寺嶋広太郎、塩山善之、渥美和重、大賀才路、野々下豪、吉武忠正、大西かよ子、浅井佳央里、平田秀紀、本田浩
  • 学会等名: 第37回九州食道癌合併療法談話会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2009-07-11
• [学会発表] 食道癌に対するサルベージ手術を含めた根治的化学放射線療法の治療成績と今後の展望 (2009)
  • 著者名/発表者名: 渡邊雅之、辛島龍一、佐藤伸隆、平島浩太郎、日吉幸晴、今村裕、長井洋平、黒木秀幸、鶴田豊、橋本大輔、岩上志朗、工藤啓介、吉田直矢、外山栄一郎、林尚子、外山栄一郎、馬場秀夫
  • 学会等名: 第109回日本外科学会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2009-04-04
• [学会発表] 食道癌における食道切除術の意義 (2009)
  • 著者名/発表者名: 田中寿明、藤田博正、田中優一、的野吾, 西村光平、村田一貴、山名秀明、白水和雄
  • 学会等名: 第109回日本外科学会定期学術集会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2009-04-02
• [学会発表] Results of salvage esophagectomy after definitive chemoradiotherapy in patients with acrcinoma of the esophagus. (2009)
  • 著者名/発表者名: M Watanabe M, Yoshida N, Iwagami S, Toyama E, Hayashi N, Baba H.
  • 学会等名: ASCO GI Gastroentestinal Cancers Syposium
  • 発表場所: San Francisco, USA
  • 年月日: 2009-01-15
• [学会発表] cStage II/III胸部食道癌に対する外科的手術成績-pStage II/IIIとの比較 (2008)
  • 著者名/発表者名: 田中寿明、藤田博正、田中優一、的野吾、津福達二、西村光平、白水和雄、末吉晋
  • 学会等名: 第46回日本癌治療学会総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2008-10-30
• [学会発表] Prospective non- ran-domized trial comparing esopha-gectomy versus chemoradiation for potentially-resectable esophageal cancer (2008)
  • 著者名/発表者名: Fujita H, Tanaka T, Tanaka Y, Matono S, Tsubuku T, Nishimura K, Shirouzu K.
  • 学会等名: pre-liminary findings. 11th World Congress of the International Society for Diseases of the Eso-phagus
  • 発表場所: Budapest, Hungary
  • 年月日: 2008-09-12
• [学会発表] Recent advances in chemo- radiotherapy for the esophageal (2008)
  • 著者名/発表者名: Baba H.
  • 学会等名: 15th World Congress for Broncho- esophagology
  • 発表場所: Tokyo
  • 年月日: 2008-04-01
• [学会発表] Salvage surgery for non responders to chemoradiation (2007)
  • 著者名/発表者名: H. Fujita.
  • 学会等名: 42th World Congress of the International Society of Surgery ISS/SIC
  • 発表場所: Montreal, Canada
  • 年月日: 2007-08-27
• [学会発表] cT2T3食道癌に対する外科治療vs化学放射線療法 (2007)
  • 著者名/発表者名: 津福達二、藤田博正、田中寿明, 他
  • 学会等名: 第35回九州食道癌合併療法談話会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2007-06-30
• [学会発表] Stage II/III食道癌の外科治療成績 (2007)
  • 著者名/発表者名: 田中寿明、末吉晋、藤田博正, 他
  • 学会等名: 第61回日本食道学会学術集会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2007-06-22
• [学会発表] 食道癌に対する根治的化学放射線治療後のサルベージ手術の意義と問題点 (2007)
  • 著者名/発表者名: 田中寿明、末吉晋、藤田博正, 他
  • 学会等名: 第107回日本外科学会定期学術集会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2007-04-11
• [図書] Japanese Classification of Esophageal Cancer (2008)
  • 著者名/発表者名: Fujita H, Aikou T, Kajiyama Y, Kawano T, Matsubara H, Menoto K, Ohtsu A, Ozawa S, Shimada Y, Shimoda T, Tachimori Y, Udagawa H
  • 総ページ数: 123
  • 出版者: Kanehara & Co., Ltd.
• [図書] 食道癌取扱い規約 (2007)
  • 著者名/発表者名: 藤田博正、愛甲孝、宇田川晴司、大津敦、小澤壯治、河野辰幸、嶋田裕、下田忠和、日月裕司、鶴丸昌彦、根本建二、松原久裕、吉田操
  • 総ページ数: 112
  • 出版者: 金原出版