2年度目である平成20年度は、主として研究代表者ならびに連携研究者による海外調査を実施した。 その概要は下記の通り : 2008/09/14-9/21松岡正子(四川省波川県・茂県等) 2008/10/25-11/4曽士才(貴州省天柱県・錦屏県等) 2008/12/5-12/7松岡正子(四川省成都・都江堰等) 2009/1/19-2/5塚田誠之(広西壮族自治区柳城県等) 2009/02/23-27上野稔弘(北京市) 2009/02/24-02/26瀬川昌久(広東省広州市) 2009/03/07-03/14松岡正子(北京・成都・波川県) 2009/03/17-27長谷川清(雲南省景洪) 費孝通の「中華民族多元一体構造論」については、2008年6月にその邦訳書である『中華民族多元一体構造』(東京、風響社)が出版されたのを期に、研究代表者ならびに連携研究者はその内容をあらためて分析し、現地調査と総括討論に備えた。また、研究代表者ならびに連携研究者による各地における実地調査を通じ、四川、広西、貴州、広東、雲南等における少数民族と漢族との文化社会的相互作用の実態、ならびにそれについての民族幹部・知識人等の認識についての資料収集を行った。昨年度に引き続き、少数民族と漢族の混在する地域での実地調査からは、文献等では直接知ることのできない民族間の接触の実態が明らかになるとともに、現地の少数民族出身の知識人の間での多元一体構造論の普及の度合いや、そのローカルな視点からの再解釈の実態が明らかになった。
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