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2008 年度 実績報告書

中国における文化政策とポピュラー文化の変容

研究課題

研究課題/領域番号 19402034
研究機関筑波大学

研究代表者

石井 健一  筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (90193250)

キーワード中国 / ポピュラー文化 / 文化政策 / メディア / 社会調査 / ナショナリズム / ライフスタイル / 欧米化
研究概要

中国政府は国内のコンテンツ産業を育成し、中国のソフトパワーを高めることを目ざして、アニメの国産化を推進している。そのため、中国では2006年から外国アニメの輸入をほぼ停止し、放送される外国アニメの数は激減している。本年度は、このような政策下における中国人のアニメの利用実態を、筆者が2008年に広州市で街頭調査によって実施したアンケート調査から分析した。アンケート調査の結果から、外国アニメへの規制が強化される中で、インターネットを通して目本アニメに接触している中国のアニメファンの独特な利用状況が浮き彫りになった。一部の日本アニメ番組は中国では正式に放送されていないにもかかわらず、日本以上の高い人気を博していた。そうした視聴者の多くはインターネットで日本アニメに接触していた。ロジスティック回帰分析の結果では、日本アニメの好みに対して年齢が低いことと学歴が高いことが有意に効いていた。学歴が高いという点は、過去の日本コンテンツの利用者とは異なる特徴である。また、中国アニメは、幼児向けで一定の競争力はあったが、キャラクターの魅力では劣っていた。一方、日本アニメの愛好者が日本製品に対してポジティブなイメージを持つという、ソフトパワー論が想定する方向の効果は支持されなかった。また、日本アニメと中国アニメの代表作を内容分析で比較したところ、中国アニメの方が架空の場を想定したものが多く、日本は現実的な場を想定したものが多かった。これは、中国アニメが低年齢層の子供をターゲットとしでいるためと考えられる。本研究成果は3月に北京の中央民族大学で発表したほか、学会誌にも投稿し審査を経て既に掲載されている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 中国におけるアニメ国産化政策と日本アニメの利用実態-「ソフトパワー」論の-考察-2009

    • 著者名/発表者名
      石井健一
    • 雑誌名

      情報通信学会誌 89号(第26巻4号)

      ページ: 17-28

    • 査読あり
  • [学会発表] 中日動画片的内容与牧視行力的比較研究

    • 著者名/発表者名
      石井健一
    • 学会等名
      中日社会学国防研対会"中国研究的可能与裸題:新社会的構想"
    • 発表場所
      中央民族大学民族学与社会学学院(中国・北京)
  • [備考]

    • URL

      http://infoshako.sk.tsukuba.ac.jp/~ishii/papers/anime_090328.pdf

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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