中国のメディアの影響に注目した従来の研究の多くは、暗黙のうちに中国が「欧米化」することを前提としていた。言い換えると欧米的な価値観がメディアによってどのように強まるのか、という視点からの研究がほとんどであったといえる。しかし、改革開放から30年経過し、最近の中国の文化政策は欧米化とは反対の方向を目指しているように見える。アニメの国産化を目標とした政策の発表は、その一つの例である。本研究は、そうした問題意識に立って、文化政策がメディア利用にどのように影響を与えているのか、またその影響は新しい意識やライフスタイルとどのように関係しているのかを見出そうとした。
|